146 小5で「第九」のとりこに 西村朗①

なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(146

いつもなら枕詞というか前置きから入るヨッサンだけど、今回は中身が一杯すぎるので、即、本論に入りましょう。(ありゃ、編集長の嬉しそうな顔⁉)
主人公は、今や日本を代表するクラシック作曲家・西村朗(あきら)さん。前回、ご紹介したカッコイイ指揮者・飯森範親さんが常任指揮者を務める“いずみシンフォニエッタ大阪”(いずみホールの座付きオケ)の音楽監督が西村さん。大阪生まれで今年還暦をお迎えになります。

N:西村朗  Y:ヨッサン
Y「大阪弁は?」N「大阪弁で今日は喋ろうとしてるんですけどネ、東京に出てから(19歳)の方がずっと長いんですよ。だから、どうしても中途半端な混じり方になりますネ」(“よ~し、大阪弁に変換させてやるゾ!”…と呟くヨッサン)
Y「大阪はひろ~ござんすが、とれたのはどこですか?」N「鴫野(しぎの)というとこなんです」。“とれた”ですぐ反応するのはやっぱり大阪人や!でもかつての片町線が東西線・学研都市線になって、西明石まで行くのを知った時は驚いたらしい。
Y「(城東区)鴫野に生まれて、幼稚園から音楽との出会いがあったとか⁉」
N「な~んにもないです。母は音痴だし、私も音痴、父も全く音楽に興味なし…学校の5年生ぐらいからチョット音楽が好きになるんですけど…学校の放送部が出来たんです。校内放送したり給食の時に音楽かけたり。放送部員に指名されたんですよ…先生から」
Y「なんでやろ?」N「なんでやろかなあ??」。“ええぞ、だんだん大阪弁が出てきた”

N「それでレコードに触ることになりまして、好きな曲をかける権利がある訳ですよ。僕は“シューベルトの軍隊行進曲”とかね。あれの真ん中の所(先生、ヨッサン、同時に口ずさむ…
Y「エエ音程でっせ」N「ほっといて下さい」「校庭には誰もおらん訳でしょ、みんな給食食べてるから、誰も居ない校庭に光が差してる…中間のメロディが重なるとね、何かね、別世界から何かが迫ってくるような、音楽っていうのは不思議に神秘的な…子供ながらに思いました」
それまでは講堂にピアノがあって広いところで授業。朗君達は後方でプロレス大会、暴れ倒していた…女の先生は半泣き…そんな悪ガキだった朗君が1番前で授業を聞くようになったのです。

N「その授業でベートーヴェンの第九、あの“歓喜の歌”のメロディーを先生がちゃんと付けたんですよ(伴奏を)。その名旋律(2人で口ずさむ…後半部分)そこんところで、あれ、二長調の調性なんですけど、その平行短調のロ短調の五度の和音が1回使用されてるんですよ!そこが凄くよくって(Y「えらい子供や‼」)なんのこっちゃわからんのですよ…今だからそういう事が言える。当時はただ胸がキュンとなる感じでめちゃくちゃ気に入ったんです。(さっき言った)借用和音使ってるところがネ。“そこが聴きたい”ためにレコードが欲しい‼家に帰って…
Y「お父ちゃんこ~てくれ!」N「お父ちゃんは買えへんから、“お母ちゃんレコードこ~てくれ!”ゆうたら、お母ちゃんが“あんた、なにゆうてんねん”…ホント欲しかったんです。鴫野の駅前のウチは自転車屋やってたんですけど、お店色々あって(今はとっくになくなりましたけど)道を挟んで向かいに小さなレコード屋があったんですヨ。そこ行って“ベートーヴェンの第九ほしい”ゆうたら何種類もある!“どれでもええワ”レコード買って初めて気がついた…“これ、どうやってかければええんや”と、“機械がない”(蓄音機のこと)」
ヨッサンの術中にはまり、すっかり大阪弁を多用する西村先生。さ~て、それからは???いやはや、原稿を書く手がいつの間にか笑っています…。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

146nishimura

西村朗さん

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