051 ショパンのように恋人に曲を… 辻井伸行②

辻井伸行君の2回目はモーツァルトのお話から入りましょう。

モーツァルトのお父さん(レオポルト)の友人にシャハトナーというトランペット奏者がいましたが、ヴァイオリンも所有し演奏していました。幼いモーツァルトはこのヴァイオリンがとっても柔らかい音色がするので“バターのヴァイオリン”と呼んでいたのです。

ある日、モーツァルト坊やは自分のヴァイオリンを手にしてこう言いました。“シャハトナーおじさんのヴァイオリンが昨日のままだったら、8分の1音低いよ‼”…それを聞いた父レオポルトはシャハトナーに彼のヴァイオリンを持ってこさせて弾いてみると…すは⁉“ホンマや8分の1音違っとるわ!”(我々凡人にはそんな耳もってない)

さて、モーツァルトは6歳の頃からヨーロッパ各地へ旅をしましたが、ある時ヴェルサイユ宮殿でルイ15世の前でピアノに布をかぶせて演奏する特技を披露した。(あっちこっちで、目隠しをしてピアノを弾いたり)こりゃ凄い神童だ…と騒がれた。

もう1つ、イタリアを旅するモーツァルトはヴァチカン宮殿の礼拝堂で門外不出の秘曲“ミゼレーレ”を聴いたんですが、この曲はここ以外では演奏してはならぬ、楽譜も写すことはならぬ…のに、モーツァルトはザルツブルクに戻ってから、すらすら~と、この“9声2重合唱”を譜面にしてしまった…門外不出ではなくなってしまったのです。いかがですか⁉辻井君とモーツァルト…なんだかダブって浮かび上がってくるから不思議です。

そんな辻井伸行君がヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝したのは2009年6月9日。このコンクールのやっかいなところは“演奏曲目”が多いこと。そのあたりを聞いてみると…。Y:ヨッサン、T:辻井伸行

Y「今回のコンクールって、自由曲が多いんでしょ⁉」T「はい‼」Y「それでコンクールを受けようって気になったんですか⁉」

T「普通のコンクールの曲と違って、用意しなければならない曲が非常に多くって、自由曲といっても、リサイタルプログラム3回分と現代曲、新しい課題曲、新曲と室内楽とか2曲のコンチェルトとか、すご~く用意しなければならないので大変で、もう、もの凄く準備も大変だったので、ギリギリの状態で(アメリカへ)行ったので、どうなるかナアって、心配してたんですけど」

Y「課題曲は今年(2009年)の芸文(兵庫県立芸術文化センター小ホール)のリサイタルの曲目に似てたんちゃう??!」T「まぁ~ァ、そうですね…(“ばれたかな?!”“どう言おうかな“と考えている風)あの~…そうですね、実はチョッとあった。その頃は、チョッと恥かしくって言えなかったけど、コンクールの練習も兼ねて(リサイタルにコンクール課題曲をプログラミングして)やったので、コンクールでは非常にうまく弾けました」(何と、したたかな一面があるんや)

最後にこんな質問をしてみました。ショパンを得意にしているのぶ君に…

Y「ショパンの曲って、なんや恋の調べって感じがするやん⁉のぶ君の恋はどやのん??!」T「いや~まだまだですけど、本当に将来的に恋をしてショパンみたいに、その人の為に作曲をして、是非その人に捧げる曲を作りたいナア~なんて思っています」Y「作曲する時間欲しいネ」T「はい!」Y「ホント、勇気づけられました。盲目のピアニストとか、そんな言い方、されたくないですネ」T「そうですネ、一人のピアニストとして皆さんに見て欲しいです」純真、素朴、汚れなき…のぶ君に我々は目が離せません‼

ことし11月10日にはアメリカ・カーネギーホールでのリサイタルも決定!浜崎あゆみとコラボも!(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

051tsuji

得意のショパンなどを収録したCD「début」のジャケット

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