060 母親とヨッサンの漫才に… 五嶋みどり①

1986年11月5日、いまはなきグランドホテルのとある部屋に向かったヨッサンの心は弾んだ…“あの天才少女ヴァイオリニスト五嶋みどりちゃんに会える‼”その年の7月、タングルウッド音楽祭で起きた信じられない光景=演奏途中に2度も弦が切れた…瞬時にコンサートマスターのヴァイオリンと交換、次は副コンサートマスターのヴァイオリンを借りて(驚くべきは、ひと回り以上小さい4分の3サイズのヴァイオリンを使っているみどりがフルサイズのヴァイオリンを)演奏しきった。指揮者バーンスタイン、ボストン交響楽団、そしてお客さんが興奮のるつぼのスタンディング‼

そんなアメリカの教科書にも掲載されたみどりちゃんにインタビューできる‼ヨッサンの胸の高まり…お分かりになるでしょ⁉これが、とんでもないことに…。(M:みどり S:節…みどりのオカン Y:ヨッサン)

Y「それではみどりちゃんにお話を伺います。今晩は!」

M「こんばんは(標準語イントネーションや)」

Y「(横にいてはるのは)おかあさん⁉」

S「こんばんは~(べたべたの大阪弁)」

Y「おかあさんは大阪弁ですか?」

S「そうです」 Y「枚方で生まれはったんでしょ⁉」

S「みどりですか?(当たり前やん、オカンのこと聞いてへんがな)病院は大阪ですけど、育ちは4年間夙川で、そのあとは樟葉ゆうとこ」

Y「枚方生まれて書いてましたよ!プロフィルには…」

S「時々変わるん…ウハハハハ」

Y「守口の市長の…なんか」 S「ひ孫」

Y「ホンマですか?」

S「ホンマです」(当時の市長)

Y「今、英語と日本語、どっちで質問したらよろしいのん?」

M「どっちでも結構です」

Y「イッツ・ソー・ファイン!やっぱりニューヨークでは英語喋ってはる訳でしょ⁉」

S「家でですか?この娘(こ)は私に英語で喋って、私は大阪弁で」

Y「ありゃ、便利ななァ~」

S「私、英語喋られへんからネ(英語分ってるけど)口から出るんは大阪弁でてしまう」

Y「ホンマに大阪弁や!お母さん!親近感覚えるなァ‼」

S「私も…」(“こらヨッサン、オカンと意気投合してどないすんねん”そろそろ本題に…)

Y「4つの頃からヴァイオリンを始めたって(プロフィルに)書いてますけど、おかあちゃんが“あんたヴァイオリンやれ”ゆうて尻叩いたんですか?」

S「そうやな~ァ、そういいたくないけども、何するにしても(子供の)手に渡すのは親やし、だから始めピアノっていうたけども、好きやないみたいで、それで、次にヴァイオリン渡して、(みどりに)やる気があったことが見えたから」

Y「最初からやる気ありました?覚えてない??!」

M「おぼえてませんね~ェ(標準語風)」

Y「(こまっしゃくれたというべきか)非常に大人びてるナア」

Y「向こうの先生(名教師ドロシー・ディレイ)と日本の先生(名教師の東儀祐二ほか)との違いは?」

M「……(沈黙)」

S「この子が答えられたらいいんですけど、私が思うには、ともかく(ドロシー)先生のことが好きだから、それと、自分で弾きたいとか、こうしたい、ということは、幾ら小さくても先生は認めることがあります。こちら(日本は)ある程度こういう方式だから、バッハはこうだから、ベートーヴェンはこうだから、といって方式から入るけど、向こうはその子のフィーリングから入るってことがあると思う!」…フムフムと納得・得心。

Y「ところで、うちの娘、ヴァイオリンやってますねん」

S「おいくつ?」

Y「小学校6年、もうケツ割ってまいましてナ」

S「かしこいわ」

Y「あきませんわ」

S「いやいや、その方がエエわ~」お母ちゃんとヨッサンの掛け合い漫才になってもた‼次回もまた、これがとんでもないことに…。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

061vivaldi

少女時代の五嶋みどりのCDジャケット

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