072 ミュージカル「コーラスライン」を語る 加藤敬二②

なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(072

あなたは「勝ち組」か「負け組」かと聞かれてゾ~ッとしたことがありませんか?“何が勝ち組やねん!?”

例えば、民主党が政権をとって「勝ち組」といえるのか?野田首相になって「勝ち組」といえるのか?“ちゃうわナア…国民がええゾ!よ~やった!”と言われて初めて「勝ち組」の扉が開いたことになるんちゃうやろか!!?

さて、ヨッサンの大好きなミュージカルの中でも大好きなのが「コーラスライン」。ご覧になった方も多いでしょう。

ブロードウェイのスターを夢見る若きダンサー達の壮烈なオーディション風景を描くドラマティックなミュージカル。演出家兼振付家のザックは新しいショーのために男女4人ずつのコーラスダンサー…そう!合格してもその他大勢のバックダンサーのこと、だから合格してもコーラスラインから前に出てはいけない。それでもコーラスダンサーになりたい…を選ぼうとしたら100数人の若者が集まった。そこから最終選考に残った17人にザックは人生を語らせていきます。(このやりとりが何と赤裸々なことか!)

そうです、人生の「勝ち組」と「負け組」を選別する単なるオーディションではないことを劇団四季の加藤敬二さんが語ってくれました…

「このミュージカルは僕達の実生活に近い…そのままの話じゃないですか!ザックが“君達の過去を聞かせてくれ!”と、言いたくない傷口に手を突っ込んで聞いていく。その人の本質というか、本当のその人を知りたいが為に質問していくんです。(それは)ダンサーの生き様のようになっていますが、すべての人が何に向かって人生を歩んでいるのかを問われているんですネ。」

舞台はいたってシンプル。白い1本の線(コーラスライン)と鏡だけ。衣装は稽古着。今日のミュージカルのボリュ―ム感とは違う。加藤さんは…「しかし、シンプルの中に人間ドラマがすごく奥深く潜んでいるのです。今、この不景気な世の中、何に向かって生きていっていいのか?特に若い方に是非観ていただきたい作品です」

このミュージカルで毎回ハラハラするのは、合否の発表の場面。加藤さんがザックになりきったように目に力がみなぎります。

「(ザックが)“これから名前を呼ぶ人、前に出て下さい”普通だったら前に出た人は合格と思うでしょ?それが、何番、何番…、前に出ました。(ザックが)“今日は本当に有難う…残念です”落とされて、はけていく(去っていく)。もう、目の前に夢が手を伸ばせば掴めるところにあって、そこで“残念です”と叩き落とされる。なんとまあ人生に似ている出来事なんだろう。最後の最後に…叶わぬ夢だった。」

おっと待った!!「そこで終るんじゃないんですネ。その後にグランドフィナーレ。みんな金の燕尾服を着てシルクハットをかぶって、全員がフィナーレを迎える。ここで救いがあるんです。(最初に)出てるダンサーだけでなく、落ちたダンサー、合格したダンサー。ここにいる空間…お客さんを含め、劇場の中のみんながスターになる…そういう意味を持ってるグランドフィナーレ。何かに向かって自分のグランドフィナーレはどこにあるか!?そういうものを劇場で探していただきたいなァって思います」

ではでは…加藤さんのグランドフィナーレは?…「10年前、浅利先生に言われて約束したことがあるんですよ!“お前なあ、70歳なっても踊れよ!!」と。

ほんならヨッサンは?…総入れ歯になってマイクの前でお喋り…しています!!?

劇団四季「コーラスライン」は10月7日から11月13日まで東京・自由劇場で。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

072kato

加藤敬二さん

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