083 人生を変えたハプニング 大川真一郎②

なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(083

ハプニングが人生を変える…1986年、バーンスタイン指揮ボストン交響楽団タングルウッド音楽祭コンサート。14歳のヴァイオリニスト五嶋みどりが演奏中に弦が切れた。何ともなかったかのようにコンサートマスターのヴァイオリンを借りて演奏再開していたら…また弦が切れた…違うヴァイオリンを借りて見事に完奏。なんという冷静沈着ぶり!聴衆の大喝采!!何度もみどりを抱きしめるバーンスタイン。この出来事は“タングルウッドの奇跡”として、アメリカの学校の教科書にも載っているんだとか。以来、五嶋みどりは世界の“MIDORI”への道を歩んでいきました。(みどりにヴァイオリンを渡したコンサートマスターは、セカンドのヴァイオリンを受け取って演奏しました)

さて、今回のゲスト大川創業会長でクラリネット奏者大川真一郎さんの運命の分かれ道とは…?!

晴れて阪大に入学し、念願の阪大オーケストラのクラリネット奏者になった大川さんの目の上のタンコブは、2年先輩の首席クラリネット奏者。このまま2番手(セカンド)のまま卒業かいナ!?と思っていたら、

S「演奏会本番、ウェーバーの小協奏曲があった時、“タンタンタタタンタ~ン タラララン”の主旋律を演奏する首席奏者(先輩)のクラリネットが壊れてもてネ!“ピ~~”って(はずれた)音が鳴ってもたんです。先輩(ステージの外)出て行って帰ってけえへん。僕はその譜面取ってパ~と(演奏)やったんです。ホンマやったらセカンドはトップにクラリネット渡すけど、僕のクラリネットは質流れで旧式やから(アルバート式)、先輩のはボエム式という新しいタイプ。全然ちがう。」

Y「初見で吹きはった?」

S「コンチクショウ思って、家で練習してる。先輩の3倍やってるから、パッと譜面取ったらすぐ出来ますがな!!演奏が終ったあと、先輩が“トップを君に譲るワ”。4年間待ってもアカンと思ってた座が2回生の後半でトップにさせてもらって」

これで人生が変わった大川さん。

大学卒業後は三洋電機に入社。ここでの12年間はまさにアイディアマン大川真一郎の真骨頂!。2ドア冷蔵庫や折りたたみホームごたつを日本で最初に開発!

企業戦士の大川さんはクラリネットを忘れてしまっていたのですが、とんでもない運命のいたずらが。1969年…鳥取の三洋電機に大川の本家の叔父が降りしきる雪の中をやって来た。

“後継者になってくれ!!”

こうして事業家としての第1歩を踏み出したが、まさかのドン底・死の境界線が待っていたのです。

本家は駅前に3千坪の土地があったけど、叔父が亡くなり1億5千万円の相続税がかかる。なんとかせなあかんと、無借金やった会社だったのに15億の借金してボウリング場をやった!これが大失敗!!

S「借金で首も回らんし、もういよいよアカンなあ。どないな死に方しょうか?!と、街の中をよろよろと歩いとったら、向こうから“大川く~ん!生きとったんか!?”(世間では大川は死んだことになってる)と、白井次郎さん(関西ОB交響楽団団長)に呼び止められて、“またオーケストラ始めたからいらっしゃい!!”」と言われてまたクラリネットを吹き始めた

けど、「音が鳴りませんネン。カビはえとる??!で、一心に吹いてたら、今までカッカしとってネ、15億の借金ゆうたら毎月3千万返す訳です。3千万はどうしようもない無理な額や。もう死ぬしかない…一心に吹いとるとね、フッと息をはいてたらアイディアが浮かんできた!“質屋の上得意客は質流れにならんように毎月金利を入れてくれる人。そや!15億の借金を金利・月500万で返済していったエエねん」

白井さんは命の恩人、クラリネットは“神様や”(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

083okawa

大川創業が経営している「ポップタウン住道オペラパーク」

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