086 推薦マークでCD売上2000枚増!? 宇野功芳②

なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(086

“諸君、脱帽したまえ…天才だ!”と、ピアノの詩人ショパンの才能をいち早く見出したのは音楽評論家でもあった名作曲家シューマン。ま、音楽評論の歴史を書くとなが~くなるのでやめますが、ヨッサンが女の子のお尻よりもクラシック音楽に目覚めたのは15歳ごろ。1962年…初任給が1万7000円、映画館が200円、国鉄初乗り10円、たばこ(ゴールデンバット)30円の頃…LPレコードは2000円。それはそれは高嶺の花だったから“お年玉”をもらって数枚(ヨッサンにとっては)大量購入したもんだ。その頃からむさぼるほど読んだのが月刊誌“レコード芸術”だった。

その中でやけに目に沁みたのが音楽評論家“宇野功芳”の批評文。“宇野先生がべた褒めやから今度買にいこ!!”“宇野先生が貶す(けなす)演奏…ほんまかどうか…買にいこ!!”あの頃から宇野功芳先生はヨッサンにとっては“レコード購入のバイブル!?”だったのです。

宇野功芳先生が“推薦マーク”をつけると2000枚以上売り上げが増えると言われ…だからレコード会社の宣伝マンが“何とか先生に推薦マークをつけてもらおう”と宇野先生を食事にお誘いする!!(盆暮れも)…が、次の月のレコード評を(宣伝マンが)読んでがっかり…だったとか。宇野先生曰く“その演奏がいいか悪いか、それしか僕の頭にないんだよ!!”

ならば宇野功芳先生とはどんな音楽批評をお書きなのか?!ここに皆さんよ~くご存知の(毎週TVでも)お馴染みのスター指揮者が録音した2枚のCDがあります。

まず、2008年11月のレコード芸術の交響曲新譜月評…曲はチャイコフスキーのシンフォニー…「最近耳にした中で最もひどいチャイコフスキーだ。全体の表現は平凡だが、力んだフォルテがうるさく、第2楽章のホルン独奏は弱すぎてコクがなく、フィナーレのトゥッティは無機的にすぎる。チャイコフスキーの第5番には優れたCDが無数に出ており、なぜこれを世に問わなければならないのか、理解に苦しむ。」(むちゃくちゃや!そこまでいわんでもエエやんか!?)…

このスター指揮者のCDはほとんどこの調子でグサリ一刀両断。ならば宇野先生はこのスターさんが大嫌いですべて寄せ付けないのか。否、数ヶ月前8月のレコード芸術で、このスター指揮者がショスタコーヴィチの5番を振った評からチョッとずつ引用してみると…

「堂々の進軍がスケール大きく行われ、やがて凄いほどの迫力が生み出される。」「テンポを大きく落としてソロ・ヴァイオリンが表情たっぷり語りかける。面白い。」「遅いテンポで雄大に結ばれる終結の重厚さも見事の一語に尽きよう」と大絶賛!!このスターこそあの佐渡裕。(このCDは大ヒット!!なんと前者の酷評CDも売れたとか…これぞ宇野効果か?!)

宇野功芳…1930年生まれ。お父さんは漫談家の牧野周一(弟子に“あ~ァ、やんなっちゃた”のウクレレ漫談牧伸二がいる。泉ピン子は牧の弟子)。

4歳の時に「金の鈴子供会」に入会、小学校5年生まで童謡を歌う、中学、高校では合唱部に所属。国立音楽大学声楽科卒業。合唱指揮者を目指す。しかし、高校時代、当時の名指揮者ブルーノ・ワルターに熱烈なファンレターを出し、長文の返事が届いたことで、レコード雑誌から原稿依頼が殺到し、以後、心ならずも評論が主、合唱指揮は従となった。しかし、名前が知られるようになったため、オーケストラからも請われるようになり、その個性的な演奏が評価され、コンサートの多くがライブCD化された…とあります。

いよいよ来週12月25日に自らは“主”でありたいと語る合唱指揮のコンサート(4面参照)があります。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

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宇野功芳指揮のコンサートのチラシ

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