125 映画『デンデラ』のロケ秘話 浅丘ルリ子 ②

“疲れたら帰っておいで‼”…このキャッチフレーズはヨッサンにとって“寅さん”そのもの。

その寅さんが恋焦がれるマドンナの中で異色と言うべきは、浅丘ルリ子さん扮するキャバレー歌手のリリー役。“大阪アジア映画祭2012”の記者会見で仰天発言があった‼

A:浅丘ルリ子

A「最初は北海道の酪農の未亡人役だったんですが、(山田洋次監督に)“(私の)こんな手足が細くてはとても無理なのでは⁉”と伝えますと、監督も“そうですね”と仰った…んです。そこで…」(ヨッサンの数ある“寅さん文献”?によりますと)山田監督が釧路にあるキャバレーの前を通りかかった時、看板に“本日の出演、〇〇レコード専属リリー××”と書いてあったことを思い出し“放浪の歌姫リリー”が誕生したのであります。いやはや山田洋次監督の柔軟な発想に乾杯‼

さてさて、この記者会見後、いよいよ主演女優賞“デンデラ”にまつわる単独インタビューが始まりました。

その天願大介監督とこんなやり取りに、はたまた仰天…

A「あのね、主人公が、どうして、惜しまれて捨てられるのか?要らないから早く行って欲しいから捨てられるのか?主人公の心情によって、“私の言い方も違います…”から始まって、監督と3、4回、どうのこうのと色々揉めました。そしたら監督が最後に重い口を一言開いたんです…“現場に行って頂いて、あの雪の中に立っていただければ、お分かりになると思います”って仰った。で、“私がすっぴんということは、私が裸になることですね”って言うと…監督が“ハイ”。それで行きました。

(氷点下11度)衣装着てカツラをかぶりメークをし、その雪の中に立ちましたなら…“あっ、なにもいらない。(すっぴんで)この雪の中で立ってるだけで主人公になるわ”って。(それ以来)監督の言われるがままに…」

浅丘さんはやるっといったら、絶対、なにも言わない。素直に監督の仰る通りに。でも…

A「最初は“何??この監督”と思ったんですけど、やってるうちに、“なんて、お行儀のいい監督さんだろう”と思って。たとえば、ご自分よりもみんな年上の方(出演者)ですから、遠くにいらっしても、ちゃんと私たちのところに歩いてきて下さって、“ここは、こうこうして下さい”って仰って、そしてまた遠く(撮影班・スタッフのいる)ところにお帰りになる。望遠(撮影)がお好きらしくって、だからマイクで”だれだれさん、もう少しこう…“と仰ればいいのに。絶対、お座りになったことは見たことないです。

あれだけ長いロケーションでしたのに、あれだけ寒い所に、もう、ず~っと立ってらっして、凄く素敵な監督でした」

最後に、この厳寒のロケでの裏話を…

A「下着は5枚(穿いて)(…想像したらアカンよ‼)、上も5枚ずつ(着て)、そしてカイロを13個をあっちこっちに貼り、足用のカイロを貼り、脚絆みたいなのを着けますから手の甲にも貼り、(ガマンできないほど)寒い時には“湯たんぽ”を抱かせてくれたり、口をふさがれ、耳をふさがれ、(スタッフが)自分たちの手で温めてくださった耳あて(のようなものを)あてて下さるんです。

スタッフの女の子たちが皆優しくてネ‼この優しさで私はこの45日間、撮影ができましたネ…」

心の温かさ…がこちらまでぶるぶるっと伝わってきそうです。ちなみに撮影中に使用したカイロの総数は…“2万5千個”…だったとか。

余話を一つ。“疲れたら帰っておいで”…ある有名ドーナツ事業をやっている会社が、新事業を始めた時のキャッチフレーズがこれ!なんと“靴磨き、靴修理”のキャッチコピー。残念ながらこの事業は短期間で擦り切れてしまった…らしい。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

125asaoka

浅丘ルリ子さんが出演した映画「デンデラ」

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