音楽がどうして私達の生活に結びついていて、それが大切な存在なのでしょうか。
音楽は演奏すること、そして聴くことの2つが一枚の紙の表と裏のように存在します。そのどちらが欠けても意味がないのです。オーケストラの場合も、それぞれの楽器の奏者がお互いの音を聴き合いながら、自分の受け持っているパートを演奏する。そしてそれが見事に融和した時、そこには素晴らしいアンサンブルの世界が作り出されるのです。
音楽を聴くことは人と人との間のコミュニケーションの最も優しい形である、と私は思っています。
「耳を傾ける」これは人間関係の基本ではないでしょうか。優れた音楽作品からは多くを感じ、学び、時には元気をもらうことが出来ます。それが優れた演奏であればあるほど、それらの体験の深さは計り知れません。
エフエム大阪の吉川さんは、長い間関西の音楽シーンを鋭い眼差しで、ずっと間近で見守ってこられました。その吉川さんが、このたび新しい音楽の出合いの場をクリエートされると聞きました。その豊かな経験と人脈で、楽しい、そして暖かな音楽のコミュニケーションの場が創造されるであろうことは間違いないと思います。
最近、世の中では何事もやたらとヴィジュアル(視覚)な要素が強調され、音楽の世界ですら耳よりも目の感覚を優先するような風潮があるように思います。今一度目を閉じて、豊かな音楽の世界を満喫できるような本来の姿が実現する場が出来ますことを大いに期待しています。
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