おとなの文化村(865)  木彫前田工房 前田暁彦さん

今夜のお客様は「だんじり祭り」で使用される「だんじり」に施される木彫(だんじり彫刻)を主に制作する「木彫前田工房」代表取締役、前田暁彦さんです。

前田さんは昭和51年(1975年)堺市のお生まれ。小さいころから地元の地車まつり祭りに参加し、誰がつくっているのだろうと感動を覚えたそうです。高校卒業後、彫師を決意するものの親の反対もあり、一度は大学に進学。しかし大学卒業の頃に、地元の地車新調を手掛けられた「岸和田木彫会」の岸田恭司親方と出会い、平成11年(1999年)に弟子入り。一度は諦めた彫師の世界に入りました。比較的遅いスタートでしたが、平成20年(2008年)に岸和田市で「木彫前田工房」の屋号を掲げ独立。令和3年(2021年)1月、工房を大阪市内、天満宮近くに移転、法人化。個人経営が主流である伝統工芸業界において、事業拡大・多分野への進出を図り伝統技術の持続的継承に取り組まれています。2021年5月に完成した「日光東照宮三日月分霊神輿」は、神輿全体で日光東照宮を表現し、現在ではベトナムの「ダナン三日月リゾート&スパ」に展示されています。「だんじり」「神輿」といった作品分野だけでなく、個人や企業向けとしてオーダーメイドの置物、表札、看板、インテリアなども多く受注し、製作。活動は国内にとどまらず、ヨーロッパを中心に展示会や美術展に数多く出展、積極的に海外展開を行い、フランス・オランダやアメリカ・ロサンゼルス・アブダビなど、海外各地へ日本の木彫刻の魅力を伝えるべく、精力的に活動を続けておられます。先日、フェニーチェ堺で開催された「関西・歴史文化首都フォーラム」で前田さんと出会ったというノイリン、さっそく天満の工房にお伺いしてのご出演となりました。

これに関連する記事

WordPress Themes