おとなの文化村(695) 大阪・関西・西日本ワイナリー協会会長 高井利洋さん
今夜のお客様は「カタシモワインフード株式会社」代表取締役、大阪・関西・西日本ワイナリー協会会長、高井利洋さんです。
高井さんは1951年、大阪府柏原市で老舗ワイナリーの長男として生まれました。家業を継ぐことに疑問も持たず育ったものの、時代は高度成長期に入りぶどう畑は雪崩をうつように宅地へと変わっていきました。輸入ワインにも押され最盛期には100軒以上あった醸造所は次々に廃業、そんな様子を見ていた高井さんは大学卒業後、神戸の商社に就職。しかし、長年ぶどう畑を守ってきた祖父、作次郎さんが亡くなったのを転機に「敵前逃亡してええんか」と思い立ち、悩みながらも25才で4代目を継ぐことになりました。当時、経営は苦しく、大阪ワインも風前の灯。朝早く畑に出て、午後からは醸造所にこもり、合間をぬって営業活動をする日々が続きました。そんななか、1990年代から始めた工場や畑の見学会、試飲会など地域の魅力を発信する活動が注目され、ファンが広がっていきました。2019年に開催された「G20サミット」夕食会に採用され、大阪のワインが世界に発信されました。当初3種類だった商品も70種類まで増え、地域とともに歩むワイナリーを目指して大阪、関西、西日本のワイナリー協会会長として活動を続ける高井さん。コロナ禍で大きな影響を受けた業界ですが、今夜は未来志向で大阪ワイン、カタシモワイナリーについて熱く語っていただきましょう。