おとなの文化村(504) テノール歌手 林 誠さん
今夜のお客さまはテノール歌手の林誠さんです。
林 誠さんは1945年、三重県一志郡宇気郷村(うきざと村)、現在は松阪市に編入されている山村に生まれました。中学校に新卒の音楽の先生が赴任され 村には一気に音楽が溢れ7人のブラスバンドが結成、林さんはクラリネットを担当。スーザはじめ多くの行進曲をひっさげて隣村の体育祭にゲスト出演したのも誇らしい思い出だそうです。親の後を歩むべく教育学部への進学を考えていたところ、音楽担当の恩師から音楽大学進学を助言され、クラリネットを持って大阪に。オープンキャンパス講座では全くレベルが届かず、練習の必要がない実技は歌との思いから大阪音楽大学声楽科へ。3回生の時、大学オペラ公演で初舞台を務め、恩師の一人朝比奈隆先生の指揮、演出 総監督のもと、舞台での振る舞い、 目線の動かし方、平素の生活についてまでも教わり、カッコイイナーと常に先生を見惚れていたそうです。大阪音楽大学大学院修了後、数々の賞を受賞し活躍する林さんは、世界のマエストロ小澤征爾さんとの出逢いで、オペラの主役、ボストン交響楽団日本公演「第九」のソロ出演と音楽人生はさらに飛躍されます。「 素敵でした」と小澤さんからかけられた声はシンフォニーホールの舞台に上るといまも鮮やかに聞こえてくるそうです。18年前に声楽仲間を集め 音楽でのボランティア、社会貢献の実行を目指すグループ「クオレの会 」を立ち上げたことをきっかけに、所謂 クラシックと 他の歌との境も 柔らかく感じるようになり、8年程前から、「アンパンマンマーチ」「手のひらに太陽を」など、やなせたかし、から 中島みゆき、さだまさし、水戸黄門などドラマ主題歌も披露されています。今夜は、来たる3月18日にザ・シンフォニーホールで開催される東京で大成功を博した「浅草オペラ100年記念~ああ夢の街浅草!」大阪公演に出演され、なんと浪花演歌も歌われるという、この懐かしくもモダンなステージの魅力などたっぷりと語っていただきましょう。