音楽748 yojikとwanda

11月は今年買った、まだ紹介していないのCDを紹介します。
本日はyojikとwandaのファーストアルバム「DREAMLAND」から紹介します。

1.Honey Moon #3

2.この町が好き #7

3.風の道 #8

まっすぐな歌声で真理を突くyojik、美しく耳馴染みのいい旋律をさらりと編みこむwanda、彼女と彼が奏でるポップネスは、時にあまりに真っ当すぎて、春の心地良いそよ風のような後味を残して通り過ぎて行く。でも、yojik とwandaの歌はそんな類いのものでありながら、ちょいと違う、と思う。ちょいとって何だって話だけど、違うものは違う。このちょいとが言葉にするのが難しいから、「センス」だの「良質な」なんて曖昧な言葉で濁すのかもしれない。彼らの歌が「ちょいと違う」最大の理由は、「経験」と「自意識の希薄さ」だと思う。そしてそれは、若さや初期衝動で動くにはちょっと歳を取り過ぎた音楽家たちが、この先向き合っていくべき大切な問題だと思う。
もちろん、yojik とwandaの「音楽家としての経験」はそんなに長くない。歌を奏でるハリネズミyojik にいたっては、突如人前で歌うことを始めたのは、この10年くらいのもの。それもひっそりと、自らの生活を大きく変えることなく。彼女の声から「自分探し」的な自意識がまったくもって聞こえてこないのは、そんな彼女の「人としての経験」が成熟したものだから、だと思う。
あるときは包み込むような優しさを、そしてあるときは、現実を突きつけるような厳しさをみせる歌、それがyojik の歌。コンポーザー/ギタリストwandaは、音楽家として「天賦の才を与えられた」部類に入る存在、だと思う。人間としては……どうなのか、それは知らない。でも、この類まれなるメロディメイカーは、美しい旋律と夢のような言葉を魔法のように編みこんでいく。ただ凄いのは、それが「とんでもないこと」ということを聴き手に気づかせないこと。「スゲェだろ、俺」と声高に叫ぶのではなく、気付くと隣に座ってるような自然な立ち居振る舞いで。それがwanda の編み出すポップ・ミュージック。
そんな2人は、決して「彼」と「彼女」なんかじゃない。と、言うより、とあるネット上の「歌ってみた」楽曲をアップするようなサービス内で、顔はもとより、年齢やどこに住んでいるかさえも知らずに出会い、お互いの楽曲自体に感銘を受けてカバー、自然な経緯でコンビを組むことになったのが約10年前。そこからひとつひとつ、楽曲ファイルのやり取りでオリジナルな音を模索し始め、『DREAMLAND』アルバムを完成。コレが素晴らしい。wanda のギターをベースに宅録の可能性を追い求めた『DREAMLAND』、


 

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