おとなの文化村(875) 水都大阪を考える会 藤井薫さん
今夜のお客様は「水都大阪を考える会」代表、藤井薫さんです。
藤井さんは昭和31年(1956年)大阪市福島区生まれ。府立豊中高校、京都大学法学部を卒業後大阪府入庁、 都市開発などに携わってこられました。バブルの時に企画室の「府立芸術大学」設立班長となった時に、自身の知識のなさを痛感し、1年間の海外調査制度に立候補。しかし帰国時にはバブルが弾け、府は財政危機で大学設立も風前の灯火。帰るところがなくなってしまいました。その時、海外で見たアムステルダムやベニスの素晴らしさを思い出し、企画室の水都再生ワーキングに参加。役人の発想では面白くないため、個人的に若手の意見を聞くため、2002年に中崎町のカフェで「水都再生の夕べ」を開催。これが「水都大阪を考える会(水都の会)」の始まりでした。2004年「中津まつり」を立ち上げ、実行委員会副委員長に。まつりの目玉として、会員が淀川で葦を刈り、葦船を組立て川に浮かべ、京都・宇治から大阪に下る試みを。さらに2013年韓国の順天で開催された「国際庭園博覧会」に招待され、会場で葦船を制作。KBSにて韓国全土、NHK国際ニュースで日本全国に紹介されました。一方、水都の会は全国の朝鮮通信使に関係する地域の協議会(縁地連)に加盟し、朝鮮通信使を世界記憶遺産に登録する運動に参画し、2017年達成。今年5月には韓国が復元した江戸時代の朝鮮通信使船が来阪。縁地連の全国大会も大阪で開催されることになり、併せて水都の会が主催して通信使船歓迎会を開催することになりました。江戸時代、豪華絢爛な2階建ての川御座船で150隻の船団を連ね淀川を京都まで遡上したという朝鮮通信使。折しも淀川では万博を契機に大堰閘門が開設され、河口から川を上がれる様になった上、62年ぶりに京都の伏見まで航路が復活。来月には通信使一行を乗せ大堰を越え、河口から伏見まで「一気通貫」することで淀川水運再生の起爆剤とし、水都大阪の再生に繋げたいと語る藤井さん。かつて道頓堀とUSJを結んだクルーズや道頓堀川遊覧を手がけてきたノイリンとは旧知の間柄です。