おとなの文化村(395回) 舞踊劇集団「遊輝座」藤間流名取、藤間遊子さん

今夜のお客様は、藤間流名取で「平成上方文化を創る会」代表、藤間遊子さんです。

藤間さんは6歳の時から日本舞踊を始められ、帝塚山学院高等部在学の17歳で「藤間遊子」として名取となられます。同時に学校の仲間と歌舞伎研究会や日舞愛好会を立ち上げる活動に取り組み、帝塚山短大卒業後、22歳で「藤間流師範」に。その後「むらさき会」を立ち上げ御堂会館、国立文楽劇場、厚生年金会館等で多くの公演を開催されます。「カナディアン歌舞伎のちの国際ジャパネスク歌舞伎」の指導から、新歌舞伎座「中条きよし公演」、「松竹新喜劇」など商業演劇の振り付けなどで活躍。昭和59年に、異なったジャンルによる舞台創作をめざし「遊子とむらさき会」を結成。中国から京劇最後の女形俳優を招いての「七夕幻想」を創作、話題を呼びました。平成以降は、フランス、イギリス、北京での海外公演に参加、平成6年には、上海で「大阪・上海姉妹都市20周年記念式典」で祝舞を披露されました。平成9年「舞踊劇集団・遊輝座」と名を変えて、創作活動に励まれ、脚本つくりにも挑戦。道頓堀中座のラスト公演、林家染丸、渋谷天外・南条好輝さんらとの共演などなど、上方・大阪を題材にしたジャンルを超えた舞踊劇の公演に取り組み続けます。そして平成25年、江戸期から連綿と育まれてきた上方文化の伝統を重んじつつ、新たに創り広めることを目的に「NPO法人平成上方文化を創る会」を結成、さまざまな分野の人たちと輪を広げて、研究・公演・生涯学習に取り組んでおられます。今回、2016年度一回目となる公演「大阪華町絵巻」の上演直前のお忙しいなかをスタジオにお越しいただきました。「大阪華町絵巻」の見どころ、藤間さんの「平成上方文化を創る会」の活動などたっぷりとお話しいただきましょう。

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おとなの文化村(394回) 雑誌「上方芸能」編集長 広瀬依子さん

今夜のお客様は、雑誌「上方芸能」編集長の広瀬依子さんです。

広瀬さんは1988年立命館大学を卒業、翌年に上方芸能編集部に入社、編集次長をへて、2008年から編集長として活躍されています。文化庁芸術祭、文化庁芸術創造活動特別推進事業、大阪文化祭、吹田メイシアター人形劇コンクールなどの審査委員や、日本芸術文化振興会の専門委員などを歴任されています。1968年創刊された「上方芸能」は、創刊から100号までは「伝統芸能の発展のために」を旗印に、101号以降は「芸能文化のひろがる都市に」を旗印に掲げて現在に至っています。能・狂言、歌舞伎、文楽、日本舞踊、上方舞、邦楽、現代演劇、歌劇、落語、漫才、浪曲、講談など幅広いジャンルを毎号紹介、また、さまざまな角度からの特集企画や、舞台評、公演記録、芸能資料の翻刻、紹介などを連載。平成5年度には、社団法人演劇興行協会より、建設的に問題を捉え演劇芸能の普及に貢献したとして表彰を受けました。しかし残念なことに本年5月発行の200号をもって終刊することが発表されました。創刊者で編集発行人を務める木津川計さんには、第135回に登場いただきましたが、その半世紀近い歴史をもつ「雑誌・上方芸能」最後の編集長となる広瀬さんから、雑誌・上方芸能や大阪の芸能文化など、思いのたけを語っていただきましょう!

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おとなの文化村(393回) 人形座「木偶舎」主宰 勘緑さん

今夜のお客さまは、人形座「木偶舎」を主宰されている「勘緑」さんです。

勘緑さんは、1955年徳島県池田町の生まれ。高校の頃から人形を遣い、早稲田大学で演劇を専攻、中退して1977年文楽の世界に飛びこみます。1979年、人間国宝・二世桐竹勘十郎師に入門。1987年から、同じく人間国宝の三世吉田蓑助師に師事されます。そして、人形浄瑠璃の普及・発展と文楽人形の新しい可能性を求めて、2012年1月、33年間在籍した文楽座を辞しフリーの人形遣いとなります。主催する「木偶舎」では、各地で自然との融合や他ジャンルの音楽・演劇との接点を求めた文楽人形の可能性を追求し、劇場の枠を越えた独自の野外劇場を企画・演出(「母情落日斧」「化身恋終焉」など文楽の新作の脚本・演出)を手掛け話題に。2012年9月 音楽と伝統芸能とのコラボレーションとなる 音楽人形劇 「新釈 姥捨山」を発表。2013年5月には人形とバレエが融合した作品「ペトルーシュカと私」、2014年3月に講談、シャンソン、フレンチジャズとの共演「愛の讃歌 エディット・ピアフ物語」に参加。一方、全国各地の人形芝居の指導・演出や、徳島県の農村舞台復活にも積極的に取り組み、「勘緑塾」という、三人遣い人形の基本操作を習得するための教室を、徳島市 福岡市 大阪市で開塾。プロのみならず、アマチュアの人形遣いも養成されています。そして、来る1月31日、人情浄瑠璃ゆかりの地・道頓堀で「浄瑠璃へ行こう!~エディット・ピアフ物語」を再演されることになりました。今夜は、公演のご紹介をはじめ、勘緑さんの活動に迫りたいと思います。

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