042 クラシック音楽と若者文化との架け橋 藤岡幸夫②

なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(042

ツワモノドモの集団=オーケストラを統率するのが指揮者。古今東西の指揮者とオーケストラとの逸話・エピソードを綴ると電話帳の1冊や2冊が出来上がるかも!20世紀最大の指揮者の1人トスカニーニはリハーサルの最中に、激怒すると…指揮棒を折る、スコアを破く(とは言えほとんど彼は99%暗



いた)、インク瓶や懐中時計を投げつける、はたまた指揮台を叩き壊す…ゆえにオーケストラから“トスカノーノー”と言われたとか。(いつも“ノー、ノー”…“ちゃうちゃう”と叫んでたから言われたからなのか⁉)

これまた20世紀最大の指揮者フルトヴェングラーは“バトンテクニック”(指揮棒の振り方)がさっぱり分らんから“振ると面食らう”と言われたがオケからは神業の演奏を引き出すんだから“正しい指揮法”が“素晴らしい演奏”ではないのが分る。
さてさて、本来ならば、“バトンテクニック”についての質問から入るつもりだったヨッサン。どこでどう間違ったのか、ファッション雑誌“ブリオ”の表紙を飾ったこともあるナイスガイの指揮者藤岡幸夫=サッチーノに恐れ多くも、とんでもない、唖然とするような質問を投げかけたのであります。

ヨッサン「口説きのテクニックを今日は教えて頂きます!」(椅子からずり落ちた方もいてはるん、ちゃいますか?)
藤岡「(僕は)フェミニストなんですよ。男性は女性に叶わないと思ってるから、女って言えないんですヨ。僕にとっては(女って言い方は)凄く汚い響きがするんですヨ!だから“女性”とか“女の人”とか。(口説きの文句は)テクニックとかじゃないんです。僕の辞書には“遊び”っていうのはないですから。(ヨッサン「なんて~ェ?」)やっぱり本気で、精一杯!僕だったら…今だったら…、まずメールよりも手紙を書きますネ。(ヨッサン「美しい形容詞が出てきそうな言葉を散りばめた?」)どうだろう~?(サッチーノは咳き込む…)
ヨッサン「咳き込んで誤魔化しております…そうそう、ドライブしたり、そういう時って、どんな音楽かける?…クラシック?やっぱり!」
藤岡(目も鼻も膨らませ?)「かけませんよ~~‼クラシックの“ク”の字も出しませんよ!」
ヨッサン「僕ならハードロック」
藤岡「AORやフュージョンですね。特に80年代が好きですネ。ボズ・スキャッグスとかボビー・コールドウエルとかシャカタクですね、それにオフコース。全部80年代の音楽聴いてる訳。“俺っておやじだな~ァ!”って、ふと気がついたら“やばいな~ァ!”って思って」と語るサッチーノは心機一転、こんな音楽の聴き方選び方をするようになったとか。

藤岡「最近、趣向を変えて、(僕が通っている)ジムの近くにHMVとタワーレコードがあるんで、必ず1Fと2Fの洋楽とJ―ポップを覗き、ヘッドホーンで試聴して、“若い人がどんな音楽聴いているのかナア”と確かめるんです」
嬉しいじゃありませんか!藤岡幸夫こそクラシック音楽と若者との文化の架け橋を担うに相応しい。時代の空気を直感的に捉え、共感しあうことが出来る指揮者なんだ!サザン(オールスターズ)もユーミンや山下達郎は今も通用していると語るサッチーノ。
昔、クラブDJをやっていたし、たまにドライブ用のミュージックを作る時にやるそうな。普通のLPのアナログ用ターンテーブルのテクニクスのやつ、パイオニアのCDのクラブDJ用のやつを持っているとか。この2台は結婚する前に嫁さんから借金して買ったと。奥様の典子さんとは大学時代、スポーツクラブのインストラクターをやってたサッチーノが、同じところで幼児教室の先生をやってた彼女と知り合ったんだとか。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

042fujioka

指揮中の藤岡幸夫さん

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