120 娘とロックでフィーバー!? ソプラノ歌手 佐藤しのぶ①

ヨッサンのいち押しのCD…日本を代表する作曲家・三枝成彰さんから、これまた日本を代表する(否、世界を舞台に活躍中の)ソプラノ歌手(あの紅白歌合戦にも出演したこともある…と言えば)佐藤しのぶさんへの音楽の捧げ物…タイトル『日本のうた~震える心』(キングレコード)は掛け値なしのお薦め盤なん。それは、小学校の教科書から淋しそうに消えていく名曲・唱歌たちに三枝さんが独創的なスパイスを施してアレンジしているからなんです。

サンバのリズムで始まる“村祭り”、やおらジャズ奏者がシャンソン風のピアノソロと思いきや“早春譜”になったり、これは何のオペラの前奏やろかと思わせる“五木の子守歌”など。アレンジの妙味と原曲の持ち味とが2つ味わえる…洒落たリズムと清清しいハーモニーが一杯。

前回、三枝さんが「僕は音楽がいいなァ~と思ったのは45歳からです。45歳で調性(ハーモニー)の曲を書きはじめたら楽しくって‼」と語ったその証がこのアレンジにも息づいているんです。

さて、今回の主役は今月23日にバースデイを迎えた、(とてもじゃないが、うんじゅう4歳には見えない)いつまでも華々しい絵姿の佐藤しのぶさん。1年前、彼女のライフワークシリーズ“母の日コンサート”を前に、(FM大阪応接室で)インタビュー。皆さん!象の耳のように広げてお聞き下さい。

S:佐藤しのぶ  Y:ヨッサン

Y「母の日コンサートは今回で17回目(2011年)ですが、何で企画しはったんですか⁉」

S「実は、娘を産んだその夜に考えたんです‼」

Y「えェ~ェ??」

S「母が私に歌ってくれた懐かしい歌。私が一緒に母と歌った歌など、世代を越えて歌われる歌が無くなってきているでしょ」

Y「で、その娘さんは??」

S「今は教習所に通って(車の)免許を取ってます。おかげさまで大学に行けるようなので」

Y「どうなんです?お母ちゃん(佐藤しのぶ)はクラシック畑やけど、娘さんは?」

S「クラシックじゃなくって、ビジュアル系ロックっていうのがお好きなんですよ‼」

Y「ビジュアル系ロック??」

S「吉川さんご存知⁉」

Y「なにゆうてはりますのん。僕はポピュラー、ハードロック大好きやったんですよ‼」

S「ハァ~ぁ?」

Y「レッド・ツェッぺリン、シカゴ、グランド・ファンク・レイルロード…フェスティバルホールや大阪球場行きましたやん」

S「そうか~ァ」

Y「全部、ヨメハンに“おいで”言われて行ったんやけど…」

S「ウ、アハハハハハ…」

Y「そない、わらわんでもエエやん。で、ビジュアル系…まさか娘さんについて行ったとか?」

S「いやァ~もう、行きましたよ」

Y「どこへ??!」

S「(床を指差して)なんばハッチ」

Y「ハッチ??」(丁度、FM大阪の下にある)

S「ハイ!もう4時間立ちっ放しで」

Y「イエイ!イエイ!イエイ!…ゆうて」

S「そうです」

Y「お母ちゃんもやった⁉」

S「やらないと…。でも、真似をしてるから、“半拍ずつ”遅れるんですけどね」(応接のソファがギャ~ギャ~揺れるほどの大笑い)

S「私、価値観の多様性というのを認めなさいって、ずっと言ってきたんで」

Y「言ったからには」

S「そう!“ママのクラシックも好きだけど、私の(大好きな)ロックも見てよ”って。それは一理あると思って行ったんだけど、ただ…体力的に自信がない。だって、ロックのコンサートって、シートがないでしょ!!?だから、ず~と立って、若者の中で、1人なんか冷た~い視線に会いながら。娘は大笑いしていましたね」

天下のプリマドンナがあの大音響の中…“イエイ”といいながら…どんな絵姿だったんでしょうか!!?(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

120sato

「日本のうた~震える心」(キング)のCDジャケット

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