なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(075)
貴方の“トレードマーク”は何ですか?!あごひげ?坊主頭?伊達めがね?もみ上げ?おさげ髪?腹巻(ヨッサンのこと…)
有名人を眺めて見ると…エンタツや砂川捨丸のチョビひげ(古いナア!?)、大橋巨泉の伊達めがね、タモリのサングラス、〇〇〇のカツラ!?(よ~け知ってるけど、タブーや)
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かくゆうヨッサンもあるんです!!それは“帽子”(パナマ帽、ソフトハット)数年前、紫外線“防止”のための“帽子”としてかぶり始めたら…“おしゃれやわ~!”“ダンディやネ”“よ~ぉ似合うやん”…ついつい図に乗って、今日も(これからも)かぶっておりまする。
さて、帽子がトレードマークといえば…何と言っても“チャップリンの山高帽”“寅さんの中折れ帽子…ベージュ地に薄いベージュのリボン付き!”(ヨッサンは寅さんオタクなのだ)
“手塚治虫のベレー帽”“映画「インディジョーンズ」でハリソンフォードが愛用しているのはドーフマン社製”そして…本日ご紹介の“作曲家&ピアニスト”の加古隆さん。
“ピアノの画家”と称される彼のサウンドはまさにシンプルで繊細、それでいて壮大な心振るわせる…ジャズ、クラシック、現代音楽の…エッセンスが見事にブレンドされています。
そんな彼に会ったのは2003年、彼がデビュー30周年を迎えた年。目深に被った帽子に研ぎ澄まされた眼光…“いや、かなわんわあ…怖そう!!?ドスの利いたおっさん声やろナア?!”
果たして…加古さんのやさしい少年のような目と声と語り口にいつしか魅入られてしまったのです。
♬K:加古隆 Y:ヨッサン
K「僕が生まれた誕生日(1947年)1月31日はシューベルトと同じなんです」
Y「音楽家誕生を予感させる!?」
K「小さい時に伝記が好きで、(シューベルトを)読んだら最後に1月31日が誕生日って書いてあったんです」
Y「シューベルトに勝ったとこありまっせ!??」
K「僕の方が長生きだから!」
Y「でも、メロディーが湧いて出てくるとこは、“大阪のシューベルトや”。生まれたのは?」
K「(大阪市)住吉区。(生まれた病院は)聖バルナバ病院。長く育ったのは豊中市です」
Y「東京芸大作曲科卒。なんで作曲家に?」
K「僕、音楽家の家に生まれた訳でないので、両親も僕も専門の音楽家になるとは全く思ってなかったんです。音楽(ピアノ)はじめたのは小学校2年くらい、その時の担任の先生が音楽の先生で、“この子、カンがいいから習わせたらどうか!”って、親に勧めてくれたのが最初のキッカケで…」
Y「カンがエエとは?!」
K「先生が、自分のクラスの生徒を集めて合奏させたんです。“アマリリス”とかをネ。学校にある色々な楽器を持たせて、カスタネット、小太鼓…僕も何かの楽器を振り当てられてやってたんですが…チョッと難しいタンバリンが“コン~タラララララン コン~タラララララン(Y「拍子の微妙なやつ」)〟それをやってる子が、何回やっても出来ないんです。僕はこっちで見てて、“なんで、できひんのかナア?〟と思ってて、(先生が)“隆ちゃん、やってごらん”と言われて、やったら直ぐ出来たんですヨ!(横で)見てて覚えていましたからネ。まだ譜面なんか読めない時ですけど」
Y「それで、カンがいいんだ!!と。その先生のひと声がなかったら、その先生が音楽担当でなかったら、今日の加古隆はなかったんや!!」
K「そうなんです。大変な恩人です!!」
〝教え”そして“育てる”…それが教育なんや!!(どこぞの知事さん…へ)(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)
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「加古隆 カルテット2011」 ピアノ、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロによる美しい音世界。10月9日(日)午後3時、いずみホールで。
加古隆さん