“ゴジラ”…と聞いてパッと頭に浮かぶのは⁉野球ファンなら“ゴジラ松井(元ジャイアンツ、元ヤンキース)”松井秀喜の名前が飛び出すことでしょう!(なんと”アゴジラ“の愛称の野球選手もいるんです…ホークスの内川聖一…顎が突き出ているから??!)
ま、我々にとって“ゴジラ”は、なんちゅうても怪獣“ゴジラ”。この怪獣が世に出現した(公開されたのは)1954年のこと。(来年は“ゴジラ生誕60周年”を記念して5月に新作映画“ゴジラ”が公開されるとか⁉)
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ほんなら映画“ゴジラ”(1954年)“モスラ対ゴジラ”(1964年)“怪獣総進撃”(1968年)“メガゴジラの逆襲”(1975年)…などなどの音楽を担当した作曲家をご存知ですか⁉即答出来る方はホンマもんの“通”やろね‼
いや~我々、知っているようで知らないお方って多いです。この作曲家は燦然と輝く20世紀を代表するクラシック音楽の作曲家であり、音楽教育者で、かつ、映画音楽作曲家として知られる怪獣ならぬ“怪物”…その名は伊福部昭(1914~2006)先生。
ヨッサンの愛聴LP盤「日本狂詩曲」はまさにすり減るほど聴いたし、マイクを向けた時の虚飾のない朴訥な語り口は(インタビュー後に)身体中がほぐれるような余情に包まれたことを今でも忘れない…厳しさをオブラートに包んだような、それでいて“おもろい”お爺ちゃん。
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*伊福部昭…北海道帝国大学(現・北大)農学部林学実科卒。北海道庁地方林課・森林事務所勤務。が、なんで作曲家に…⁉
*映画「蟹工船」(1953年)の音楽も伊福部先生の作曲やし、音楽家有志による“音楽・九条の会”の呼びかけ人としての先生も功績大。(編集長!知ってはった??!)
あれは1987年9月…伊丹映画祭が文化会館や酒蔵を使用して開催。(酒蔵を使って映画やコンサート。今では当たり前やけど、当時は珍しいので大話題に‼)そのメインコンサートが「ゴジラ・交響ファンタジー 伊福部昭の世界~映画音楽とクラシックの夕べ」憧れの伊福部先生をひと目見ようと多くのゴジラファンが集まり、オーケストラ(大阪シンフォニカー…現、大阪交響楽団)のメンバーも楽しそう‼いつものベートーヴェンやブラームスのお堅い?音楽ちゃうから、豆でも煎ったようにはしゃいで演奏。
そんな、大作曲家…日本の楽壇の重鎮が気安くマイクに向かって下さったのは(朝比奈先生に通じる)ゴジラのようなでっかい心をお持ちなんやろなあ??!
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I:伊福部昭 Y:ヨッサン
Y「先生!北大の農学部でしょ。なんでまた作曲しようと思われたんですか⁉」
I「(困惑顔)弱りましたネエ…。その前にギターのようなものを弾いたりしてたもんですけど、バッハやベートーヴェン、立派は立派なんですけど、なにかこの~~、あの頃の言葉で言うと“バタ臭い”と言うんですかねえ」(Y「えらいことゆうはるわ!バッハ、ベートーヴェンが“バタ臭い”って、どういうこっちゃ??」と内心思う)
Y「それで…?」
I「その時に、ストラヴィンスキー(ロシアの作曲家)の“ペトルーシュカ”っていう作品を聴いたんです。これがまた馬鹿みたいに気に入りまして」
Y「なんでまた?」
I「ロシアにはモンゴルの血が混ざってるんですね。(13世紀にモンゴル帝国がロシア進出)我々日本人もお尻に蒙古斑があったり、どこかで(ロシアと)血が繋がっているのかもしれない。だから我々に近い“バタ臭くない”曲を書いてみようと…」
Y「それが我が愛する“日本狂詩曲”やったんですね!!?」(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)
伊福部昭さんの作品集CDジャケット