なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(077)
“ドジョウにょろにょろ三にょろにょろ あわせてにょろにょろ六にょろにょろ”
…その昔、アナウンサーを目指していた頃、ヨッサンが真面目にお勉強した活舌の1つ。総理もこの練習をなさった甲斐があったのか、あの演説で議員の心を(我々をも)掴んでしまった!?
…けど、単なる“つかみ”だったのか。掴みにくいドジョウを掴むなんて凄い!!…と感心していたら、ぶっちゃけ…あれからの言行…“もっとハッキリゆうてんか!!なんや巧言令色のお方なんかいナア”…もしかしたら当意即妙の受け答えは苦手なのかも??!
♬
そんなら総理!このピアニストを見習ってみたらいかがでしょう!?
清水和音の“歯に衣着せぬ物言い”で、ズバリ物申す…インタビューする者(ヨッサン)にとって、こんな楽しいお人はおまへん。なのにNHK―FMでは清水和音の当意即妙な本音を、かなりの部分を編集して放送していた(と、ウィキぺディアに書いてある)。
さ、それではヨッサンとのインタビューの中で(もしかしたらNHK―FMなら編集するかもしれない)ズバリの語録を集めてみましょう。
K:清水
K「(鬼才)グレン・グールドは当時(和音の小さい頃から)珍妙なピアニストだと思ってました。グールドのショパン(の演奏)…冗談でしょって聴こえる」
K「(20世紀を代表する)ホロヴィッツはその当時からへたくそだと思ってましたネ!モーツァルトやベートーヴェンのソナタ聴いて、自分よりヘタだと思ってました…今聴いても正しかったと思います」
K「その当時、ベートーヴェンは(鍵盤の獅子王)バックハウスと言われていましたが、へたくそだなあと思っていましたヨ…今聴いても。テクニックが破綻しているからですヨ。画家のダリが言ってます“技量はいつも捨ててはならない”(「ダリ天才日記」)、だから(ピアノ演奏は)いつも技量に裏打ちされてないといけないんです」
(クッソ~!!ヨッサンが40数年前、あんなに擦り切れるほど聴いた…あのバックハウスの演奏する“熱情ソナタ”や“ワルトシュタイン”“テンペスト”をこき下ろすとはふてい野郎だ!!)
♬K「ピアノを毎日弾かないと(練習しないと)弾けなくなるって言われますが、いまだにウソだと思ってますネエ。ポテンシャル(潜在的な力)は落ちないもんです!」
K「(大リーガーイチローを引き合いに出して)超一流になる人間は、今までやったことのないことをやるから超一流になる。そりゃ教えられない。もっともっと早い段階で教育を手放すべきだと思います…この(ピアノ、音楽家の)分野は10歳を越えたら教育的価値はないと思います。身体能力と想像力ですから。身体能力は天性のものです」
K「(これまで共演して素晴らしいと思った指揮者は)…広上淳一、彼素晴らしいですヨ!彼は僕のこと嫌いなんですけど、会うと喧嘩ばかりしているんですけど、彼が指揮台にいる時だけいいです。今、僕がこうやって(本音で)喋っているのが彼は嫌いなんです」
K「指揮者…ピアノで言えばツェルニー30番くらいの指揮者、沢山いるんですヨ!要するに、基礎もなんにも出来てなくっても指揮者になれちゃいますから…そりゃ、中学校のブラスバンドの先生(たとえば国語担当)が指揮できちゃうんですから。その延長で指揮って出来ちゃうんです。だけど、音が出た瞬間に、どれくらいか(共演していて)分りますヨ!どれくらいのレベルかって、すぐ分っちゃいます」
ヨッサンは勿論、ノン編集でオンエアしましたヨ!!
♬
次回は、マージャンに明け暮れた和音さんが、何故ロン=ティボーコンクールの優勝をゲットしたか?…笑えますよ!!(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)
清水和音さん