084 夢の歌劇場設計図 大川真一郎③

なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(084

クラリネットが男の運命を変えた…ポップタウン住道オペラパークのオーナー大川真一郎さん78歳はホンマもんのオペラハウスを建てるんや…これまで白く濁っていた夢がだんだんと鮮やかな色を持ちはじめた…いや、設計図を見せていただいたら、まさに鮮やかな色に染まっていました。

S:大川 Y:ヨッサン

Y「オペラハウスを建てる…いつ頃から?!」

S「関西フィルの代表をやってる時おもたんです。というのは、楽団員が欠員になったら1人募集するんです。たった1人に全国から40人以上も集まる。また、それぞれ優秀なんですネ。3歳くらいからヴァイオリンやって、脇目もふらんと一生懸命やって、真面目で、賢いし、(演奏)上手いし、たいしたもんやのに、私みたいに遊んで大学出て、その月給の6割しか払われない。

そこで、(世界1と言われる)ウィーンフィルの逆にして、ウィーンフィルは(日頃、ウィーン国立歌劇場で)オペラの仕事やっとって、合間にコンサートをやる(あの、恒例のニューイヤーコンサートもそう!)関西フィルは、日頃コンサートをやっとって、合間にアルバイトで(僕が建てる)オペラハウスのオーケストラピットに入って演奏する。そうすれば、それで収入が倍になる…これがまず第1。

その次に(オペラを上演する場合)1番優秀な歌い手が主役になれない。(Y「なんでやろ?」)主役ゆうたら、当時500万くらいかかるんです。チケットさばくんです。“こんなんおかしいやないか”ゆうたら“切符売るのも役者のうちや!仕事や!!”と。実力があっても主役になれない…切符売りさばける、親から(お金)出してもらえる…そういう人しか主役になれない。これも義憤を感じた。」

朴訥とした語り口の中身は燃えに燃えていました。果たして…。

設計図を見ながらの説明に、ヨッサンも何度“楽しみやナア~!!”と連発したことか。

オペラハウスの名称は、天才指揮者カルロス・クライバーにちなんで「クライバーハウス」。大川さんは彼の追っかけをやっていてカナリア諸島まで出向いた。場所は…現在のポップタウン住道オペラパークに隣接。敷地面積450坪。建物は36m×60m。総工費はウン10億円。完成予定は2015年。

イメージはバルセロナのリセウ歌劇場。バルコニー形式で馬蹄形。座席数は1064席で立ち見席100人で1164席。4階5階の天井桟敷は止まり木を設置(脚の高い腰掛)、ここからがドッキリ。ホテルに泊まったら天井桟敷で無料観賞できる…つまりオペラハウスとホテルも建ててしまうのです。

オペラ上演は舞台装置に3500万。終演したら潰してしまう、あ~勿体無い…そこで舞台装置を映像でやる。「カルメン」なら闘牛場を映す~闘牛士がやって来る~観衆の歓声!~闘牛場の中を映す~リアルなスクリーンを映画の字幕スーパーに使用。そこでオペラが展開されていく!!にくいアイディアや。

オペラのない時は…このスクリーンにウェストミンスター寺院やノートルダム大聖堂を写して結婚式!!(ウィーンフィルのニューイヤーコンサートでもお馴染みの)舞踏会の雰囲気をスクリーンで演出して年代別のダンスパーティ=婚活を。(Y「ヨッサン、シルバー婚活のプロデューサーさせてもらお!!」)

S「僕が死んだ時は、葬式ではなくて、お別れ会やなくて、お祝いの祭りみたいにして…音楽祭です。(Y「まさかベートーヴェンの第九をやるとか?」)そう、第九の3楽章の…(Y「“クラリネット”が出てくるとこでしょ!?」)ばれたか…ハハハ。あんなにいい音楽はないナア、崇高な…。」

いつまでもクラリネットを愛してやまない大川さんである。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー

084okawa

ホテルとクライバーハウスのイメージカット

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