097 大震災2日前のインタビュー 杜けやき

なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(097

今週は前回ご登場の錦織健さんの、生い立ちやなんでオペラ歌手の道へと歩んで行ったのか?などを書く予定だったのですが…3月11日号にどうしても紹介したいことがあるのです。

ヨッサンは毎週番組を3本制作しています。その1つが「ザッツ・ステージ!藪下哲司のエンタメ講座」(毎週日曜朝9時30分~55分)演劇記者歴の藪下氏が演劇界のスターや名優、脇役などにインタビューしたり、関西の演劇界(劇団四季、宝塚…)の最新情報をお話しするあっと言う間のエンターテイメントタイム。15、6分から20分収録し、それをヨッサンがモニターして編集箇所(カットする)を決めてミキサーに指示を与え12~13分に仕上げるのです…が…この編集が大変なのです。“このおもろい話はカットでけへんナア!”“こことここを繋ぐとうまく辻褄が合うナア!”…とラジオをお聞きの皆さんが(決して)分らないようツギハギしていくのです。

今回、藪下氏がマイクを向けるのは元宝塚歌劇団雪組トップスターの杜けあきさん。鰻谷のスポニチプラザでの公開録音は笑いの渦に巻き込まれました!

M:杜けあき Y:藪下哲司

差し入れのロールケーキを食べながら30数年前の宝塚音楽学校時代に花が咲き誇ります…。

Y「音楽学校は優秀な成績で入ったんでしょ!?」

M「入ってません!!」

Y「エ?ウソやん!?」

M「卒業は優秀な成績でした。卒業する時だけ1番になりまして」

Y「ホ~ぉ」

M「入学は50番くらい」

Y「50番ってラストじゃない」

M「ピアノが弾けたから入られた?!ほか、何にも出来なかったから、色白いだけで」(場内大爆笑)

Y「それは武器じゃないですか!」

M「仙台出身の、そういう何かひと味違う娘(こ)みたいな…だったって、あとで先生にお聞きしたんですけど、色、白いだけであとなにも出来なかった…ウン」

Y「この“杜けあき”って芸名は、仙台の“杜の都”から出てるんですネ?」

M「そうなんです!色んな芸名を考えてたときに、さとう宗幸さんの“青葉城恋唄っていうのが凄く流行していて、で、せっかく仙台だから応援しなきゃと思って、EP盤(17㎝シングル…懐かしい)レコード買ってきて、歌詞を読んでたんです。そしたら“杜”っていう字がド~ンと自分の中に入ってきて“きれ~な字やなァ”って思ってた。それで“け・あ・き”っていうのは自分の中で決めていて、で、苗字が決まってなくって、伊達(正宗)とかね、広瀬とか(仙台で有名な)広瀬川ってあるでしょ。あと、“台”とか、色んなこと考えていたんだけど、それ(青葉城恋唄の歌詞”広瀬川流れる岸辺 想い出はかえらず…瀬音ゆかしき杜の都…)を読んだ時に、キレイな字だナア“もりけやき”“え??”“杜けあき”“凄いゴロがいいじゃない!!”(自問自答して)思って、仙台、宮城県を代表する名前にもなるので、これにしようってすぐ!!父なんかはネ、“伊達正子”とかね」(大爆笑)

Y「だてまさこ??」

M「最近思ってるのは広瀬川って、すごくキレイな川で、鮎が取れるんですよ、“広瀬鮎(ひろせあゆ)”って可愛いナアって思って、今度仙台から(宝塚に)入って相談されたら提案しようと思ってるけど、誰も聞いてこない。仙台出身の朝海ひかるさんがやめて、また、新しい娘(こ)が5、6人いるんですヨ!!(宝塚の)公演を観にいくと“仙台出身の〇〇です~”って挨拶されたら嬉しくって!“みんなが卒業したアカツキには宮城や東北の為にやろうね〟って言ってるんですヨ!!」

♬  …この収録は2011年3月9日。その2日後に大震災。2週間後の27日に公開録音の模様を編集してオンエアしました。実は今回ご紹介した“たのしい仙台のお話し”は全部カットしました。杜けやきさんのためにも。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

097mori

1年前の3月9日の公開録音の記念撮影。中央が杜けあきさん。まさか2日後に

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