023 特番でルンルンインタビュー 八代亜紀②

なにわのヨッサン とっておきの【音楽交遊録】・・・・吉川智明(023)

ツルル~ン~…ツルル~ン… (と電話の鳴る音)

「こちらでお客様のお目覚めの時刻を受けたまわっております」と受話器の向こう側から交換台の可愛い女性の声。

電話をかけている主人公「8 46号室です。あしたの朝7時丁度にお願いしたいんですが…」「分りました7時丁度ですネ?」

「これであしたの朝は大丈夫。7月17 日(土)今夜は大阪のホテル泊り、今日も一日よく歌った、よく聴いてもらった。明日も2回にステージ。あとは一生懸命眠るだけ…」と主人公がつぶやきながら日記をしたためている。

がらっと雰囲気が変わって開演前の楽屋のガヤガヤノイズ

「よろしくお願いします!」の声があちらからもこちらからも行き交い飛びかうと「よろしく~!」。ひと目ならぬ一聴してわかる主人公の声…クロスして…ステージの主人公がお客様に投げかける「今日も精一杯歌います」の挨拶。会場に溢れる拍手とともにオーケストラのイントロ~“よ~る~のしんじゅく~”と主人公八代亜紀が歌い出す。勿論“なみだ恋”。

彼女の声に乗せてヨッサンのナレーションが…

「女、男、酒、別れ、雨、そして涙…。演歌と聞いてすぐに思い浮ぶ言葉といえば、ま、こんなところですか⁉ちょっと俺の柄じゃないよ、私のセンスとは違うとおっしゃる向きも、きっとどこかで八代亜紀の歌を口ずさんだ経験があるんじゃないですか?…中略…もし貴方がポップスやジャズ、ロックのマニアでも一度は炉端焼の片隅で…それこそ歌の文句じゃないけれど、ぬるめの酒をぐびっとやるとき八代亜紀の歌声が聴こえてきて、気分でるナァ~って思ったことがあるでしょう。これです!日本人の心です‼この番組は自然の中で味わう河内長野の名所、民芸料理白樫亭の提供でお送りします」のナレーションとともに「なみだ恋」が完奏。

やおらパンフルートののどかな調べとともにヨッサンの声… 今度はCMナレーション「こんな夏の過ごし方はいかがでしょう?広がる自然の中で鍋料理を楽しむ…」

こんな感じで特別番組の「サマースペシャル・八代亜紀演歌旅日記」は進んでいきます。

では、この中から聞き所のやり取りをどうぞ!!

吉川「さ、憧れの人にインタビュー。心がルンルンです!初めてレコーディングしたのは昭和46 年6月18 日。愛はなんたら…」

八代「『愛は死んでも』…でも全然売れなくって、ダメな歌手でした」

吉川「それから1年後“なみだ恋”が登場。脚光を浴びる!そのデビューからヒットが生まれるまでの忘れられない人たちは?」

八代「沢山いますネ。今でも忘れられないのは、地方のキャバレー…日本全国1人で回っていましたからネ。歌いすぎでガラガラになって声が全然出なかったんです。それでも歌わなきゃしょうがないでしょ?お客さんが普通だったら“引っ込め”とか言われるけど“おい大丈夫か大丈夫か?”ってオシボリを下さったお客様がいらっしゃったり、ジュース持ってきて“これ飲んで喉を潤おしたらいいよ…って”虐げられた体験がないんですネエ。ひと月のうち25 日は全国回ってましたから。もう途中、泣いてました。もうしんどくってネエ。心細くって泣いちゃうわけですヨ!夜行列車… 明日は富山、次の日は長崎…どうやって行ったか分らない…ただ地図だけを頼りに行くでしょ。よく出来たと思います。あの当時、10 代後半でした」

ホテルの部屋の846号室は、八代(やしろ)846から。ホームラン王、王貞治さんは8 46号のボールを八代さんにプレゼント。その後、八代さんは王さんをモデルにした絵をお返しにしたというお話は有名です。ヨッサンも色紙をいただきました!(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

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八代亜紀さん直筆の色紙

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