115 自治体が誇るべき楽士たち 大阪市音楽団

一度は自分の口から漏らしてみたい名台詞…その1つ、映画「カサブランカ」(1942年)の中で…“夕べはどこにいたの?”“そんな昔のことは憶えていない”、“今夜逢ってくれる?”“そんな先のことは分らない…”留めの名台詞は“君の瞳に乾杯!”くっそ~キザなやつ。でもハンフリー・ボガードやから許せるのかも。これも一度言ってみたい名台詞は…もう35年前、宝塚歌劇団「風と共に去りぬ」で男役トップスターが口ひげをつけて話題になったレット・バトラーがスカーレットに向かっての別れ際に“一度、壊れたガラスは元に戻らないんだ”…。カッコいい‼

男と女の物語でこの名台詞を呟くことなく35年が過ぎたけど、今、ヨッサンは声高にこの台詞をあの方(首長)に言わしてもらおう‼“一度、壊れたガラス(=文化)は元に戻らないんやで~”と。

前々号の「市政改革プラン(案)」での市民施策の切捨て(主なもの)をお読みになって怒りあんぐりの声が鳴り響いた。あれも廃止、これも廃止、なんで廃止?…「大阪市音楽団・廃止・14年度」…ホンマかいな??!

ヨッサンは番組用とこのコラム欄の為に大阪市音楽団・団長の辻浩二さんにインタビューをしてみました。

D:団長  Y:ヨッサン

Y「そもそも、大阪市音楽団って、大阪市が作ったって、ホンマですか⁉」

D「もともと軍楽隊だったんですが、大正12年(1923年)に大阪市音楽隊になりまして、当初、自力でやってたんですネ。それが昭和9年(1934年)になりまして、この音楽隊が財政的に厳しいと、周りの方々、大阪市議会の方々の声で“大阪市の教育の方で、なんとかもたれへん(支える・運営でけへん)のか⁉”ということで、昭和9年から大阪市教育委員会に入った…と文献に残っています」

Y「大阪市会議員の議員さん達が、もうちょっと、何とかせなアカンと、お金も出したろやないか!応援しようやないか…て言う話で継読した訳や‼」(ここんとこが大事やで)

D「そうなんです。当時の新聞によりますと“大阪市音楽隊が大変な目になっている。音楽を市民に聴かせているが(財政的に)どうしようもない。何とか出来ないのか⁉”と、世論の声として記事に出ていたんです」

Y「これは、声高に言いたいですネ‼(世論の声が…)これこそが文化継続の心、精神。大阪魂や」

以来、大阪市の援助で教育委員会の傘下となって今日まで様々な活動を続けてきたのだ。

それが今回、新しい首長が来て“音楽団の功績、業績については認めるが、公務員が音楽を演奏している必要はない。民営化する方向で努力し、自分たちのマーケットを広げながら、自分たちで活動して欲しい”と。

その結果が…“2013年度廃止”が1年延びて“2014年度廃止”か…。なにゆうてはりますのん。宮川彬良さんが“日本一の吹奏楽団や”と。それも全国で唯一の地方自治体がこれまで所轄してきた自分達の楽団や!首長さんの基本理念は…弱肉強食…1番が好きやと、よ~ゆうてはりますやん…。その誇るべき楽士達やおまへんか⁉

インタビューの最後に、辻団長の「2013年は大阪市音90周年。2023年の100周年を迎えられるよう頑張ります‼」の一声がいつまでも心に響き渡りました。

この間、皆さんに紹介したCD「宮川彬良・大阪市音楽団・定期ライブ」のライナー・ノートの中で、宮川さんが“市音よ、定期演奏会なんて自粛しちゃダメだ。100年先を見据えていこうよ!”とあります。宮川さん、ご心配なく。2012年11月7日に第104回が開催されますヨ‼(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

 

GO!GO!市音!!で演奏する大阪市音楽団有志 5月5日、野外音楽堂

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