176 北野で留年しかけ、ヴァイオリンに逃避⁉ 高木和弘②

次に上げる著名な人物の共通点はなんでしょうか⁉…大中寅二(作曲家)佐伯祐三(画家)野間宏(作家)梶井基次郎(作家)森繁久彌(俳優)森本薫(劇作家…今年生誕100年の織田作之助のライバル?)森南海子…

お分かりになりましたか?実は(先日、溜飲を下げた方も多いでしょう‼威信失墜や!の声があっちこっちから聞こえたこのお方)橋下徹(100期生)も。そうなんです!ヨッサンの可愛い息子のような“なにわのヴァイオリニスト”高木和弘(103期生)が学んだあの最難関高校北野の卒業生なのです。

その高木君が…

T「小学5、6年は塾で中学のことも勉強してたんですが、(超有名)私立中学の受験に落ちて公立中学に行ったんです。中学の勉強は寝てても解る。だから3年まで全然勉強せんと毎日5時間以上、ヴァイオリンの練習をやってました。好きだったんですね。でも3年になったら中学通いながら十三の浜学園に行って勉強を頑張りました‼」

Y「それで、北野合格」

T「ぎりぎりで引っかかった。入ってからは(皆についていかれへん)落ちこぼれ。2回留年しそうになって、逃避気味になってヴァイオリンに打ち込んだんです」

Y「それを見て、オカンはどう思ってたんやろね⁉」

T「プロにさせる気、満々やった‼僕自身は高校出る頃までは趣味でやってましたから」

Y「ホンで、大学は?勿論、音楽系?」

T「それが…国立大学を落ちたんです。もし通ってたら、自称理系やから、今頃、○○研究所に勤めてたかも」

そこで“たら・れば”…

T「大学落ちて、ここで人生の師匠となる森悠子先生が主宰“京都・フランス音楽アカデミー”の講習会に合格」彼の頭の中では“ヴァイオリンだけで後々つぶしきくんやろか?”という葛藤もあったけど…

T「やるんやったら、中途半端せんと、本場行って、習って、うまいもん食って、やったるで…」とフランスはリヨン国立高等音楽院に入学。何と首席で卒業!

T「ガンバりました‼(その後、数々のコンクール歴を積み上げ)これで生活やっていけるんや。ヴァイオリニストになれたんや…と確信しました」

彼は現在、恩師森悠子率いる“長岡京アンサンブル”のメンバーでもある。(人生は回り舞台)

もう1人の恩人は…指揮者・飯森範親(来年から日本センチュリー交響楽団首席)

T「あの方、ものの本質がパッと見える人なんですね。僕が、ゲストコンサートマスターをぼちぼち始めた頃、広響(広島交響楽団)のホントちっちゃなイベント“しまなみ海道開通記念式典”(デカイやんか‼)に飯森さんが指揮されたんです。ゲストは錦織健さん。リハーサルの前半が終わって休憩に入った時に、声をかけてくれはったんです。“いや~凄いおもしろいコンサートマスターやねえ”と仰った。傍にいた広響のマネージャーさんが、“彼はパリオペラ座のコンマス(コンサートマスター)のオーディションに最後まで残ったんですよ”とか、売り込んでくれはって、そしたら飯森さんが“ウチのドイツ・ヴュルテンブルク(フィルハーモニー管弦楽団)にこないかい!!?”…」

マエストロ飯森が音楽監督や首席を務めている(いた)ヴュルテンブルクフィル、東京交響楽団、いずみシンフォニエッタ大阪などでも活躍する(した)高木和弘…

T「あの人(飯森)がいなかったら、こんなにスムーズに仕事をしている自分はないです」

今日もオーケストラのリーダー(コンサートマスター)…指揮者とオケの橋渡し役、取りまとめ役…として威信をかけて伝心のメッセージを送っています。音楽ファンの為に。(よしかわ・ともあき FM大阪くらこれ企画プロデューサー)

176takagi

高木和弘

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